Heart その心

いちいち 2|距離感

いちいち」に続きます。

体の大きさはスケールの基準になります。そうすると自然と家の作り、家具や道具のサイズにもそれがあらわれていきます。
地中海周辺では、家具、食器を含めて、生活道具がキュッと小さめのように思います。イタリアの小型車なんて、車輪にまで運転する人の手足が届いているかのような走りでキュキュッとしたカッコ良さがあります。また、イスタンブールのデイリーなホームセンターでは、奥行き70センチの食卓テーブルを多く見かけました。この奥行きだと、ヨーロッパ式に各自用に大きな丸い平皿は並びますが、対面する平皿と平皿との間に、サラダボールなどは置けません。みんなでシェアすることはやはりあまり重要ではないようです。ただ、私には対面する人との距離がちょっと近すぎるように感じられます。個人的には、あと20センチあると気分的にしっくりします。それに、センターにおかわり用の料理やサラダなんかも置いておけますからホスト役には便利です。

フランスやイタリアの賑わいのあるレストラン…というよりはビストロやトラットリーアでは、みんなぎゅうぎゅう詰めでとなり客とも肘がぶつかるくらいの距離で楽しく、おいしく、他人の間近で食事をしています。そんなお店ではワイングラスも格上のレストランのものより小ぶりでかわいいものを使っています。
あっ、グラスが小さいからまたいちいち継ぎ足さなくてはなりません。
でも相手が近くにいるんですから、簡単に「いちいち」できます。

この距離感、小さいカップがない時でもメモリになっているような気がします。地中海の国々でも、東京の下町でも、小さいカップが人づきあいの基準かもしれません。